「資格外活動許可」申請ガイド

留学生(在留資格が「留学」)は学業の妨げにならない範囲で、日本での生活費や学費を補うためのアルバイトが認められていますが、まずはその「ルール」を正しく知る必要があります。

日本の入管法(出入国管理及び難民認定法)は非常に厳格です。「知らなかった」では済まされない重いペナルティが科されることもあります。この記事では、留学生が安心してアルバイトをするために絶対に知っておくべき「資格外活動許可」について詳しく解説します。

なぜ「許可」が必要なのか?

皆さんが持っている「留学」という在留資格(ビザ)は、あくまで日本で「勉強すること」を目的としたものです。そのため、原則として日本で働くことは認められていません。

    しかし、学費や生活費を補うために、学業の妨げにならない範囲で特別に働くことを認める制度が「資格外活動許可」です。この許可を得ることで、初めて「アルバイト」という形での就労が可能になります。

    資格外活動許可なしで働いた場合の「厳しい罰則」

    もし許可を取らずにアルバイトをしたり、許可された範囲を超えて働いたりした場合、あなただけでなく、雇っている会社も厳しい罰則を受けます。

      留学生本人へのペナルティ

      退去強制(デポート)
      日本から強制的に帰国させられ、その後数年間(5年または10年間)は日本に入国できなくなります。

      資格外活動違反(入管法73条)
      1年以下の拘禁刑もしくは200万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。

      ビザ更新の不許可
      強制帰国にならなくとも、次回の在留期間更新や、卒業後の就職ビザ(技術・人文知識・国際業務など)への変更が認められなくなるリスクが非常に高いです。

      雇い主(会社)へのペナルティ

      不法就労助長罪(入管法第73条の2)
      留学生を違法に働かせた会社も、5年以下の拘禁刑や500万円以下の罰金に処されます。このため、最近の日本の企業は在留カードのチェックを非常に厳しく行っています。

      「時間の限定」:週28時間の壁


      資格外活動許可には、働ける時間に厳格な制限があります。

        基本ルール:週28時間以内

        アルバイトができる時間は、すべてのアルバイト先を合計して「1週間に28時間以内」です。

        A店で15時間、B店で15時間働くと、合計30時間になり違法です。
        「残業で少し超えてしまった」という言い訳は通用しません。

        長期休業期間(夏休みなど):1日8時間以内(週40時間以内)

        大学や学校が定める「学則」による長期休業期間(夏休み、冬休み、春休み)に限り、労働時間が緩和され、1日8時間(週40時間以内)まで働くことが可能です。
        ※土日や祝日、学校の創立記念日などの単発の休みは「長期休業」には含まれません。学年歴等で確認してください。

        業種の限定:働いてはいけない場所

        資格外活動許可があっても、「風俗営業(風営法第2条)」に関連する仕事は禁止されています。これは、たとえ掃除や皿洗い、ビラ配りであっても認められません。

          禁止されている業種の例
          キャバクラ・ホストクラブ・スナック(客の隣に座って接客をする場所)/パチンコ店・麻雀店(ギャンブルに関連する場所)/ゲームセンター(遊戯施設)/個室ビデオ店、ファッションヘルス(性風俗関連)/照度が低い場所や、接待を伴うバー(深夜営業)など

          「友達が働いているから大丈夫」という考えは非常に危険です。 警察の立ち入り調査などで違反が見つかった場合、その場で警察に連行されることもあります。

          資格外活動許可の「申請手順」

          申請には大きく分けて2つのタイミングがあります。

            ❶ 新しく日本に来る時(空港での申請)

            初めて日本に入国する際、空港(成田、羽田、中部、関西など)の入国審査官に「資格外活動許可申請書」を提出すれば、その場で許可がもらえます。

            メリット:入国したその日からアルバイトを探し始めることができます。

            ❷ すでに日本に住んでいる時(入管での申請)

            空港で申請し忘れた場合や、すでに日本に住んでいる方は、住んでいる場所を管轄する「出入国在留管理庁(入管)」へ行きます。
            愛知県の場合は、名古屋出入国在留管理局になります。

            書類の準備(くわしくはこちら

            ・資格外活動許可申請書(入管のサイトでダウンロード可能)

            ・当該申請に係る活動の内容を明らかにする書類

            ・在留カードの原本

            ・旅券(パスポート)の原本または在留資格証明書

            審査・受領:混雑状況や審査内容によっては、許可まで数週間かかることもあります。許可が出ると、在留カードの裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」といったスタンプが押されます。

            行政書士からのアドバイス

            留学生の皆さんにとって、アルバイトは日本社会を学ぶ貴重な機会です。しかし、ルールの違反はあなたの「日本で学びたい」という夢を一瞬で壊してしまいます。
            「週28時間を超えていないか?」 「その店は風俗営業ではないか?」 「在留カードの期限は切れていないか?」これらを常に自分でチェックしてください。
            また、ビザの更新時期には資格外活動許可も同時に更新する必要があります。忘れてしまうと、意図せず「不法就労」になってしまいます。

              「自分のアルバイト先が法律に違反していないか不安」「ビザの更新と一緒に手続きをしてほしい」「日本語での書類作成が難しい」といったお悩みがあれば、ぜひ当事務所へご相談ください。